バイリンガル育児の弊害は?子供の言葉の遅れやアイデンティティー問題の乗り越え方

バイリンガル子育てをしていると、子供の成長に問題がないか不安になることがありますよね。

幼少期から二言語以上を使うことで子供に負担をかけていないか心配になりますよね。

言葉の遅れやアイデンティティーの問題にも影響するという噂も耳にします。

バイリンガル子育てに興味はあるけど、弊害があるならやめておこうと思う方もいるかもしれません。

実際に問題にバイリンガル子育ての弊害に直面している方は、どのように乗り越えたらいいのか悩んでいるのではないでしょうか。

この記事では、バイリンガル子育ての弊害はあるのか?子供の言葉の遅れやアイデンティティーの問題をどう乗り越えたら良いのか、紹介していきます。

 

バイリンガル子育ての弊害ってなに?

バイリンガル子育ての弊害として指摘されるのは、言葉の遅れアイデンティティーの問題です。

特に気になるのが、乳幼児期の言葉の遅れだと思います。

乳幼児の定期健診で発語や言葉の遅れを指摘されたり、場合によってはスピーチセラピストなど専門家の受診を勧められたというケースもあります。

母語の理解力が年齢から遅れていくと、情緒不安定になったり勉強に追いつかなくなるケースもあると言われているため、不安になる親は多いでしょう。

さらに、言葉は文化と深く関係しているため、子供のアイデンティティーにも影響すると考えられます。

特に両親の国籍や人種が違うハーフの場合や、日本人の両親でも海外在住の場合、子供はアイデンティティーに悩む時期が来ると言います。

ここからは言葉の遅れとアイデンティティーの問題について、具体的に見ていきたいと思います。

 

バイリンガル子育てで子供の言葉の遅れはある?

バイリンガルで子育てをすると子供が話し始めるのが遅くなるとよく言われますよね。

しかし、子供の発達は個人差が非常に大きいので、バイリンガル子育ての子供の言葉に必ず遅れがあるというものではありません。

バイリンガル家庭で育っても問題なく喋り始め、その後特に遅れも見られない子供もいます。

でも、そのような噂をよく聞くということは実際にそういう子供がいるということではないでしょうか。

 

実際に言葉の遅れはあるの?

個人差があるとは言うものの、実際にバイリンガルで育てている親から子供の言葉の遅れを経験をしているという声は上がっています。

特に赤ちゃんの頃から同時に2言語以上で話しかけていると、1歳半の健診で発語が遅いと言われることがあるようです。

保育園や幼稚園に通い始める3歳くらいになっても、他の子と比べて言葉が少ないと感じる親もいました。

バイリンガルやトリリンガルが多い地域で子育てをしていると「バイリンガル家庭の子供が言葉が遅いのはよくあることだよ」と言われることも多いようです。

 

バイリンガル子育てでなぜ言葉が遅れるの?

よく言葉はコップの水に例えられますが、語彙が蓄積されて行ってあふれるようになるとおしゃべりが爆発すると言います。

バイリンガルで育つ子供はこのコップが2つあり、単純に考えて普通の家庭と同じ量で話しかけているとなかなか満タンにはならないですよね。

そのため発語に時間がかかったり、話し始めても語彙が増えるまでには一般的な目安よりも時間がかかってしまうのではないかと考えられます。

しかし、子供の発達は本当に個人差が大きく、一概に言えません。

バイリンガル子育てをしている子供の言葉の遅れがあっても、それはその子の個性や、言葉を覚えるスピードがのんびりなだけという可能性もあるんです。

つまり、バイリンガル子育てが原因ではないかもしれません。

生まれつき言葉の発達が遅めだった可能性もありますので、あくまでそういった傾向があるかもしれない、程度に考えておくのが良いかもしれません。

 

バイリンガル子育てで子供のアイデンティティー問題はある?

バイリンガル子育てをしていると子供のアイデンティティーに問題が出る可能性があると言われています。

そんなに子供に大きな負担となるのかと心配になりますよね。

アイデンティティーの問題と聞くと、深刻なイメージを持つと思いますが、実際どんな問題があるのでしょうか。

まずは、そもそもアイデンティティーっていったい何なのか、考えてみたいと思います。

 

アイデンティティーってよく聞くけどどういうこと?

アイデンティティーとは、簡単に言うと「自分らしさ」や「自分は何者か」ということです。

性格だけではなく、「自分は日本人だ」「女性だ」「運動が得意だ」など、自分がどういう人間なのかを自ら考えることです。

思春期の頃になると、自分について考えたり、周りと自分を比較したりすることでアイデンティティーを形成していきます。

バイリンガルで育つ子供にとっては、「○○語を話せる自分」というのもアイデンティティーの一つになりますね。

 

なぜアイデンティティーの問題が起きるの?

そもそも国際結婚の家庭に生まれる子は二つの文化に挟まれて育ちますので、早い段階で自分のアイデンティティーに悩むことがよくあります。

その中でも言葉は自分のバックグラウンドとなる文化や社会と密接に関係しているので、「自分は何者なのか」と考える際に重要になるのです。

バイリンガル子育てをすることで言葉に遅れが出てしまうと、自分の気持ちや考えが満足に表現できなかったり、その年齢で必要な理解力がなく勉強に遅れて悩んでしまうことがあります。

その結果自分の軸となる母語に自信が持てなくなると、アイデンティティーが崩れ、精神不安定になってしまう危険もあります。

一方で、日本人家庭でも長期間海外で過ごした帰国子女や日本のインターナショナルスクールに通う子供も、自分は何人なのか?と悩むことがあります。

両親が日本人の場合でも、日本語が弱くなってしまうと日本人としてのアイデンティティーが揺らぐ可能性があるのです。

ただ、アイデンティティーは育つ家庭や周りの環境に大きく左右されます。バイリンガル育児がアイデンティティーの問題に直結するわけではないことも頭に入れておくと良いですね。

 

バイリンガル子育ての弊害の乗り越え方

バイリンガル子育てをすることで、2点の弊害があることがわかりました。

モノリンガルと比べて語彙を溜めなければならない量が多いため、幼少期の言語の遅れの可能性があること。

どの言語も中途半端になってしまうことでアイデンティティーの揺らぐ一因となる場合があること。

子育ては家庭環境や子供の性格、親の考え方、住んでいる国などそれぞれの状況があり、何がベストとは言い切れません。

でも、バイリンガル子育てをする上で子供の言葉の遅れやアイデンティティーの問題を心配するなら、一つでも方法を知っておくと役に立つかもしれません。

そこで、こうした弊害を乗り越えるために家庭でできることをを紹介していきます。

 

子供の言葉の遅れの乗り越え方

未就学のうちの発語の遅れは主に生活で使う言語ですので、声掛けを通常の家庭より多くする、単純に考えて2倍にするのが最も効果的です。

語彙のコップが2つあることを想像すると、そのコップを両方満タンにするには通常よりも多くの言葉をかけてあげる必要があることがわかると思います。

絵本の読み聞かせ、童謡を歌う時間を増やすことはすぐにできそうですね。特に歌は記憶に残りやすいと言われていますので、童謡や手遊び歌はおすすめです。

さらに日常生活のひとつひとつを実況中継してあげると、動作や物と言葉をリンクできて覚えやすいと言われています。

そして、乳幼児に一番大切なのは、双方のコミュニケーションです。

言葉は互いのコミュニケーションを元に習得するものなので、ただ「インプットを増やす」のではなく、子供と意思疎通をするためのツールとして言葉のシャワーを浴びせてあげたいですね。

しかし、言葉の発達は個人差が非常に大きいため、まずは乳幼児の定期健診でチェックしてもらったり、保育園や幼稚園で先生に相談してみるのが安心です。

必要に応じて専門分野の先生を紹介してくれるかもしれません。

 

子供のアイデンティティー問題の乗り越え方

子供にアイデンティティーの問題が見られたら、まずは悩みに寄り添い受け止めてあげることが大切です。

アイデンティティーが揺らぐときは、2つの文化の狭間で違和感をどう処理して受け止めればよいのか葛藤している状態です。

まずは安心させてあげるために、親子の間の信頼感を高め、子供の自己肯定感を上げてあげること。

そして自分が何者なのか考える助けになるよう、子供のルーツやバックグラウンドについて、子供が納得できるだけの情報を与えてあげることも必要です。

バイリンガルとしては、「言葉がわからない、通じない」という悔しさや不安があるはずです。その場合は本人の意思も尊重しながら、自信がつくようサポートしてあげるのが良いですね。

移民国家のカナダでは、英語と母国語の両方で子供が自由に創作し表現する「アイデンティティ・テキスト」という方法に取り組み、世間に公開することで子供の自尊心を育んでいるそうです。

実践するのは大変なことですが、子供が自らアイデンティティーを確立し自信が持てるように助けてあげたいですね。

 

まとめ

この記事では、バイリンガルで子育てをすることの弊害があるのかを検証してきました。

家庭環境や子供の性格や発達にもよるため個人差が大きいですが、少なからず子供の言葉の遅れやアイデンティティーの問題の可能性があることがわかりました。

言葉の遅れについては、家庭でインプットの量を増やしてあげることと親子のコミュニケーションが大切です。

アイデンティティーの問題については、子供の気持ちに寄り添い、自分のルーツやバックグラウンドを受け入れるサポートをしてあげることが助けになります。

バイリンガル子育てをする場合にはこうした弊害もあるけど、乗り越える方法があるということを頭に入れておくと良いかもしれません。