金融商品取引法違反の疑いで逮捕された、日産カルロスゴーン会長の公表されている年収は、ザクっと10億円!
これまでもゴーン氏の年収はやり過ぎ!と噂になっていました。
業界水準、世界との比較、日本トップ役員の報酬と比較して、
カルロス・ゴーン氏の年収10億円は、本当に高すぎるのか?!を調査してみました。
Contents
日産カルロスゴーン氏の年収は高すぎ!?
日本が世界に誇る産業である、自動車業。その業界規模はザックリ68兆円。
日本の自動車業界のトップ3が、トヨタ、日産、ホンダです。
日本の自動車業界トップ3の社長の役員報酬を比較してみました!
2015年まで他2社と比較にならないほどの役員報酬を記録しているのが、
現会長(あと数日で解任予定?!)カルロス・ゴーン氏が社長を務めていた頃の日産です。
世界の自動車売上ランキングで1位のトヨタの豊田章男社長よりも、
19日夜に記者会見を行った現在の日産の西川広人社長の方が、役員報酬も多いんですね。
ちょっと意外。
ゴーン氏の役員報酬多すぎ!!!と大騒ぎしてる日産だから、
日産の現社長西川氏の報酬は、
例えばトヨタの現社長豊田章男氏の社長就任当時(1億代)くらいからスタートでも業界平均からすると良さそうな気もしますが、
そこは、やっぱり企業の給与水準のベースだったりが影響するのでしょうか?!
まぁ、ゴーン会長の報酬と比較したら、半分以下なんですけどね。
ゴーン会長の役員報酬は、2016年度は10億9800万円、2017年度は7億3500万円だったそうです。
これは公表されている数字なので、今回のゴーン氏の逮捕を考えると、少なく書いた数字ですよね。
実際にはどのくらいもらっているのでしょうか?
カルロス・ゴーン氏は、なんで逮捕された?
巨額の有利子負債を抱えていた日産を立て直した、世界的敏腕経営者のカルロス・ゴーン氏ですが、
グレッグ・ケリー代表取締役と共謀して、
自らの役員報酬を有価証券報告書に過少に記載 →報酬額(年収など)を少なく書いて報告
したため、
金融商品取引法違反の疑いで、19日に逮捕されました。
もうちょっと詳しく解説♪
※報酬額=収入を少なく書く/報告することで、支払う税金が少なくなります。実際に手元に入ったお金は変わらないので、出ていくお金(税金の支払い額)が小さくなれば、手元に残るお金は大きくなる!!!のです。
皆、稼いだお金の額に対して、日本国で決められたルールに従って、税金を納めています。その税金で日本という国が成り立っているわけなので、ズルをして、税金の支払いを少なくする人がいると、国が集められる税金が少なくなって、国の運営に支障をきたします。 だから、ズルはダメ!ということで、逮捕されました。
このズルを一緒にやった人(グレッグ・ケリー代表取締役)も、共犯者として逮捕されています。
日本のトップ役員の年収を調べてみた!
「日本の給与水準は低い」って知ってた?
日本は世界と比べて給与水準が低い!!!ということをご存知ですか?
日本の平均年収は、429万円。
平均ですよ!新卒~定年まで、中小企業~大企業までひっくるめて、平均した数字です。
世界の平均給与ランキング2017で見てみると、日本の429万円は、18位!
えっ?!
と驚いた方、もっと上だと思ってませんでしたか?
世界の平均給与トップ3の国は、以下のヨーロッパ3国です。
1位 スイス 1073万円 (95,0002 USドル)
2位 ノルウェー 921万円 (81,508 USドル)
3位 ルクセンブルク 899万円 (79,591 USドル)
アジア太平洋地域からは、オーストラリアが5位で791万円。
1位と予想している人もいましたが、アメリカは8位で645万円。
ちょっと意外ですね!
金融危機と騒がれて、今もヨーロッパでお騒がせな国イタリアは、17位で431万円。
イタリアに続いて
18位が429万円の日本です!
世界3位の経済大国日本の平均給与が18位ってなんだかちょっと寂しいですね。。。
日本のトップ役員の年収を調べてみた!ゴーン氏の10億円ってどうなの?
ゴーン氏の役員報酬10億円は高すぎる!
と兼ねてから批判されていますが、
日産社員の方々も、
「私たちの給料とはそもそもけたが違う。過少申告といわれても想像がつかない」
と語っていますから、
一般庶民の「平均給与」と比較してもしょうがありません。
日本の自動車業界の社長の年収(1~5億円)と比較すると、
ゴーン氏の役員報酬10億円は圧倒的に高いことがわかりました。
しかし、
業界を超えて、日本のトップ役員の報酬と比較してみるとどうでしょうか?
東京商工リサーチが、2018年5月29日に発表した
『2017年(1-12月)決算「役員報酬1億円以上開示企業」調査結果』のトップ10をご紹介します。
日本のトップ役員の年収ランキング(2017年版)
1位 ニケッシュ・アローラ元副社長 ソフトバンクグループ
年収 103億4,600万円 (前年 64億7,800万円 160%UP)
2位 ロナルド・フィッシャー副会長 ソフトバンクグループ
年収 24億2,700万円 (前年 20億9,600万円 15%UP)
3位 ジョセフ・マイケル・デピント取締役 セブン&アイ・ホールディングス
年収 18億9,500万円 (前年 21億8,700万円 13%DOWN)
4位 エデュアルド・ミナルディ元副社長 ブリヂストン
年収 12億2,400万円 (前年 7億5,000万円 162%UP)
5位 マイケル・リントン元執行役 ソニー
年収 11億4,000万円 (前年開示なし)
6位 鈴木敏文元会長 セブン&アイ・ホールディングス
年収 11億3200万円 (前年 2億8,200万円 403%UP)
7位 カルロス・ゴーン会長 日産自動車
年収 10億9,800万円 (前年 10億7,100万円 )
※東京商工リサーチの調査結果では、2017年の報酬額は10億9,800万円となっていますが、
最近の各種報道では、2017年のゴーン氏の報酬額は、7億3000万円(前年比30%DOWN)とされています。
さて、真相やいかに?!
8位 クリストフ・ウェバー社長 武田薬品工業
年収 10億4,800万円 (前年 9億500万円 109%UP)
9位 平井一夫会長 ソニー
年収 9億1,400万円 (前年 7億9,400万円 115%UP)
10位 加藤修一相談役 ケーズホールディングス
年収 8億9,400万円 (前年開示なし)
ゴーン氏の2017年の報酬額の真相はともかく、
役員報酬10億というのは、業界を超えて見てみると、ありえない金額ではないように感じます。
もちろん、業界別に給与水準というものがある程度あるので、
同じ国内の自動車業界のCEOの役員報酬額と圧倒的に違うこと、ゴーン氏のその年の功績を考えると、
やっぱりやり過ぎ?!な気もしますね。
ちなみに!!!
外国人役員が圧倒的に報酬額が高い理由は、そのポジションに着くまでの背景にあります!
多くの場合、日本人役員が日本企業でそのポジションにつくには、
その会社で下積み時代から功績を上げて、そのポジションを掴み取る形が多く、
社員時代からの給与水準をベースに、役員報酬も決まる傾向にあるため、
比較的役員報酬も低めになりがち。
一方、外国人役員の多くが、ヘッドハンティングによってそのポジションに付いています。
他社、他業界で優秀な功績を収めた人物を「引き抜く」わけです。
特に海外から引き抜く場合は、その時点ですでに高額な報酬を得ていたりします。
そんな人物を引き抜くには、それなりの好条件で首を縦に振ってもらう必要があります!
また、「当社はそれだけの価値をあなたに見出している!」というメッセージでもあるわけです。
だから、外国人役員は高額報酬が多くなりがちなんですね。
カルロス・ゴーン氏の年収について、
世間で言われているとおり、本当に年収10億はやり過ぎなのか?!
日本のトップ役員の年収と比較して検証してみました!
10億円の年収はやりすぎなんじゃ?という声も多かったですが、
やっぱり世界的大企業のトップとして、
年収10億は、デタラメな額ではないと思います。
それでも、直近の功績や日産の成長具合、日本の車業界の水準から考えると、
年収10億はどうなのかな?やり過ぎかな?と思いますね。
ただ背景として、外国人役員のヘッドハンティング事情、
ルノー時代、日産立て直し時代に作った過去の功績を価値として認めた年収、
と考えると、まぁ理解できる感じです。
やり方や結果に賛否両論あれど、日産を立て直した事実は彼の功績です。
敏腕経営者として多くの人に影響を与えたゴーン氏が、
今回のような事件を起こした事実はとても悲しいですね。
せめて、元敏腕経営者として、不屈の精神で、罪を償って、
何かしらのカタチで大物カルロス・ゴーンの姿を見せてほしいと願います。
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