「2歳息子と飛行機に乗って「うるさい!」と苦情…気象キャスターに激励の声多数」というニュースが話題になっていますね。
実際のところ、2歳の子供は親の躾次第で、大人しくできるものなのか。
親の躾次第でできるはず派の意見では、実際に大人しくしている子供がいること、自分はそうだった説がありまして、
それはレアケースなのか、一定の条件が揃うことで誰でも再現可能なのか、気になりませんか?
yahooニュースでは、
コメント欄には「日本人の子供に対する寛容の無さ、当たり前に不自然を求める大人、自分たちが子供だった頃のことを棚に上げてる」「気にしないで、気持ちの小さい人ですよ」「子連れに厳しすぎ」「親が一番気を使っている」「日本は社会で育てるという意識が少ない」などと荒木氏を激励する声が多く見られた。
激励などのママへのサポート寄りの声が多いと書かれていて、
実際に、荒木気象予報士のブログの書き込みは、比較的親切なアドバイスを含めた暖かいメッセージが多いですが、
Twitterでは、逆の意見の方が目に付きました。
2歳時がオヤジに注意され、それで社会を知ったのなら
結果オーライだろう荒木ママも「おじさん、注意してくれてありがとう。息子もお兄ちゃんになりました」
ぐらいの余裕を綴ってほしいw2歳児が飛行機内で騒ぎ隣の客から苦情 気象予報士に激励 #ldnews https://t.co/LeMO80SCFy
— サーチライト (@double_bingo) 2018年7月16日
うるさいものはうるさいし、迷惑なものは迷惑なのに
なんでもかんでも大人が我慢しなさいっていう風潮なんなのって思う自分が子供の時は怒られたし、スリッパで頭はたかれたしw#うるさい#子供#大人
2歳息子と飛行機に乗って「うるさい!」と苦情
https://t.co/cKfhVtoq9G— ゆーsk (@35Ykk) 2018年7月16日
それまでもうるさかったんやろ?
「魔の2歳児」と宣うバカ親、逃げでしかないやろ。
隣の席の方、気の毒で仕方ない。
「静かにしてた」って、バカ親目線でしょ?
一般的に見てうるせぇんだよ。2歳息子と飛行機に乗って「うるさい!」と苦情…気象キャスターに激励の声多数 https://t.co/6ofzcFSNir
— ヴィツェンツァ@放心しているのでしょう (@QqZnEUTaT4klf07) 2018年7月15日
公共の場での子供の行動や態度と、親の躾についての意見は、ちょっとしたきっかけでよく話題になることですが、大抵いつも意見は二つに別れます。
☆小さな子供が公共の場で騒いで迷惑だ!(親、もうちょっと躾頑張れ!)
☆小さな子供なんだ、仕方がない。(親だって頑張ってる!)
我が家のPrincipessina(プリンチペッシーナ:小さなお姫様)コロコロちゃんも絶賛イヤイヤ期の2歳児。
可能な限り1年に1回は日本の家族に会わせてあげたいな、と思っているので今年も飛行機で日本へ行くことを計画中です。イヤイヤ期真っ盛りの2歳児を連れて飛行機で旅行するために、私たち親はどうしたらいいのでしょうか?
そこで素朴な疑問がひとつ。「2歳児が、飛行機などの公共の場で終始大人しく過ごすことは、そもそも本当に可能なのでしょうか?」
良い悪いとかは置いといて、
子供の個性に依存することなく、飛行機などの公共の場で、2歳児が大人しく過ごすことが可能か、2歳児はどこまでの理解力とセルフコントロールの能力を持っているのかを調べてみました。
Contents
2歳児が公共の場で終始大人しく過ごすことはできるのか
いきなり結論から申し上げますと、
2歳児が飛行機などの公共の場で、終始大人しく過ごすことは無理と思った方が良いようです。
「飛行機の中で大人しく過ごさせる」って一言で言ってますが、それを子供にさせるには、次の3つの課題をクリアさせる必要があります。
1 大人の指示やルールを認識させる
2 認識した指示やルールに従って自らの行動を調整させる
3 自分の欲求をコントロールさせる
意外とレベル高いですよね?
大人は子供の頃からの何十年にも渡っての経験から、飛行機などの公共の場では静かに過ごすということが習慣化しているので、脳の意志力を使うことなく、無感情に正しい行動を取ることができています。
小さな子供は、それを今まさに学んでいるところなのです。飛行機の中で大人しく過ごすにはかなりの自己抑制力(自分の感情&行動をコントロールする力)が必要になります。
いやいや、とは言え、できるでしょう?って思う人もいるかもしれませんね。
では、2歳児の能力とはどの程度のものなのかを見てみましょう。
「社会のルールに従う」ってどういうことか丁寧に考えてみる
2004年の京都大学の「幼児の自己調整機能に及ぼすルールの使用と社会的文脈の影響」という論文があります。幼児の次の3つの能力の発達段階に関する、国内&海外のたくさんの研究結果を整理してまとめた論文です。
ものすごく簡単に言うと、”飛行機の中で大人しく過ごす”など社会のルールに従った行動をとるためには3つの能力が必要になります。認知能力、自己調整能力、誘惑抵抗。
【社会のルールに従った行動を取るために必要な3つの能力】
・指示やルールを理解する能力(認知機能)
・理解したルールに従って自分で行動をコントロールする能力(自己調整機能)
・欲求をコントロールする能力(誘惑抵抗)
この3つの能力(認知機能、自己調整機能、誘惑抵抗)を学んで、身につける時期が、2歳〜5、6歳の幼児期です。
つまり、2歳〜5、6歳の時期にこんなことを学ぶわけです。学習中。
・大人の言うことや社会のルールを理解すること
・ママやパパが言うことやルールに従って行動すること
・自分の感情をコントロールすること
・自分のやりたいことと今すべきことが違う場合に、自分の気持ちを抑えて、やるべき行動をする
2歳児ができること
2歳児ができること
ルールを理解し始めるけど、正しく使用することがまだできない
3歳児ができること
1つのルールを使用して、行動を始めることができるようになる
5歳児ができること
1つのルールに行動のスイッチにオンとオフがあるルールにも従って、行動をすることができるようになる。
ルールの切り替えにも対応できるようになってくる
大体2歳くらいからやっと子供と”会話”ができるようになります。
大人の言うことは、産まれてすぐ、むしろお腹の中にいる胎児の頃から聞いてるし分かってるとも言われますが、子供が大人の発信した情報を受け取って、大人が受け取れる言葉で返せるようになる、つまり言葉のキャッチボールが1回以上できるようになるのが2歳くらいからです。
*ご存知のとおり小さな子供の発達は個人差が大きいので、早く会話ができるようになる子もいれば、ゆっくり成長をするおっとりさんもいます。
2歳児は、大人の言葉を、音でなく意味のある言葉として理解し始める時期です。但しとてもシンプルな指示しか理解できません。
飛行機の中では静かにしようね。
これ子供にとっては意外と難しいようです。
2歳後半になると認知的課題で外的教示に従う能力が身につくが、それを社会的文脈で実行するには、感情をうまくコントロールする必要があるため、母親の支持への追従が可能になるのは、3歳ごろである。
2歳後半くらいから、認識できたルールに従った行動を、「今、静かにして」など誰かの明確な指示があれば、それを実行できるようになります。
だけど、社会のルールとして、飛行機の中では周りの人の迷惑にならないように静かにする、という行動を取るには、2歳児には厳しい。
なぜなら、飛行機の中で静かにするという社会のルールに従った行動を取るには、ルールを理解する能力だけでなく、自分の感情をコントロールする能力が必要になります。これは2歳児にはかなりハードル高い、と色んな実験から分かっています。
ある実験によると、できたらご褒美をあげるよとか、ご褒美をあげるからやってみよう!といった場合でも、2歳児にとって、自分の感情を抑えてママの言ったことやルールに従うことは難しいそうです。
これが、魔の2歳児とかイヤイヤ期って言われる理由なんでしょうね。自我の芽生えや自己主張、体の成長がある一方で、状況やルールの認識能力、感情のコントロール、行動のコントロールなどはまだ未発達なので、思うようにマネージできなくて爆発するんですね。
いつから飛行機の中で静かに過ごすことができるようになる?
飛行機の中で子供に「飛行機の中では静かにしようね」と指示をして、ママの言うことを聞けるようになり始めるのは、3歳くらいから。
3歳になり1次のルールをしようして行動することが可能になると、例えば「お姉さんがおもちゃに触ってはいけないと言ったならば、遊ぶのを我慢しなければならない」というルール自体は理解できるようになるが、そのおもちゃで遊びたいという感情をコントロールするための方略をうまく使用して、外的教示がなくても自己抑制することができるようになるのは4歳〜6歳の間である。
自分の感情や衝動を抑えて、ママの言うことや事前に認識したルールに従った行動を始めることができるようになるのが3歳くらい、なんだそうです。
ポイントは、指示やルールに従った「行動を始める」ことができるようになる、ってこと。
持続力はまた別の問題のようです。当然ですね(笑)
さらに難しいのは、自分のやりたいこととやるべきことが相反する時に、自分の感情をコントロールして適切な行動を取るのはもっとハードルが高くて、6歳でも難しい場合があるそうです。6歳って言ったら、小学生ですね。
5歳になると、階層化されたルールや対をなすルールを適用することができるようになり、「もしお姉さんがおもちゃで遊ぼうという約束をして、かつそれを忘れているならば、遊びたいことを訴えなければならない」ということが理解できるようになるが、感情をコントロールして自己抑制と自己主張をうまく使い分け、適応的な行動をとるのは6歳児でも難しい場合がある。
5歳くらいになると、一応自分の感情をコントロールして、適切な行動を取ろうと試みることもできるのですが、
欲求や感情をコントロールすつのは幼児にとって難しいことが多く、これに失敗した場合には調整が働かないまま表出になってしまう。
うまくセルフコントロール(自分の感情がコントロール)ができないと、爆発します。
大人でもそうですもんね。ママもパパも、「なんで〜?」って爆発したりするし、職場や街中でもそんな人たまに目撃しますよね。
私たちは、自分の感情するコントロールする能力は幼児の頃から学習し初めて、それを身に付けようとしていますが、大人になっても簡単なことじゃないですね。
慣れない環境で自分の感情を完璧にコントロールするのは、無我の境地にでもたどり着かないと無理かも?!石でも積もうかな。
「公共の場だから大人しくしようね」は2歳児には難しい
2歳児には社会のルールに従った行動、「飛行機の中は、公共の場だから、他の人の迷惑にならないように、大人しくしようね」は、難しい。
ただし、2歳児は、社会のルールやママやパパ、大人の言うことを理解して、それに従った行動を取ること、自分の感情とやるべき行動が不一致な場合に葛藤してそれを乗り越えることを学び、身につける時期なので、大切なのは、チャレンジすることです。
2歳児の未発達の能力では、成功率低いでしょう。例えママ&パパが、あれこれ準備して、荷物がかさばってもおもちゃを何種類も持って行ったり、入念な計画の上の登場だとしても。
でも、飛行機に乗る機会があるなら、チャレンジして、新しい能力や経験を身につけるチャンスです。
ママやパパも、インターネットや周りの先輩ママ&パパから情報収拾して、あの手この手とできるだけのことをやって臨んで、経験を重ねて、我が子にピッタリの対策を開発するしかない!あの子に効果があったことも、この子に効くとは限らないです。
子供もママ&パパも、2歳は無理っ!って諦めないことが大切ですね。
子供も、ママもパパも学習中だけど、飛行機でフライト中大人しく過ごせる可能性はゼロではないってことです。
子供の成長と共に、子供の能力的には「飛行機の中で大人しく」といった、社会のルールに適応した行動を取ること、自分の感情を抑制してでも行動を調整することもできるようになります。
大事なのは、子供の社会のルールに適応するための自己調整能力は、言葉や経験で学ぶ必要がある、ということです。パパ&ママが教えてあげる、チャンスを与える、必要がある、と思います。
子供に社会のルールなどを教えるときに知っておくと役に立つ5つのことをこちらで詳しく紹介しています。よかったら参考にしてみてくださいね。
【子供に社会のルールなどを教えるときに知っておくと役に立つ5つのこと】
1 子供を効果的に褒める3つのポイント
2 怒ると叱るの違い
3 子供にだってある男女の違い!男女の特徴を抑えた子供とのコミュニケーションの仕方
4 子供とのコミュニケーションで使えるコーチングテクニック
5 親の言うことは聞かないけど、やることは見てる!
学習中なんです。失敗に寛容になってほしい!
飛行機など公共の場には、いろんな人がいるのは当然です。
自分が2歳の子供だった時のことなんて、当たり前に覚えてないし、子育て経験が無ければ尚更、小さな子供がどのくらい自己調整能力があるとか、親だって一生懸命子育てやってても子供に振り回されてどうしようもないことだってあることとか、分からないと思います。
子供や親に事情があるように、公共の場にいる他の大人たちにもそれぞれ事情があるわけです。
仕事で疲れてるとか、移動時間に集中して終わらせたいことがあるとか、ストレスが溜まっててナーバスになってるとか、体調が悪いとか、何かしらの経験があって子供が苦手とか、色々推測できます。
でも公共の場は、みんなの場であって、子供もまた社会の一員なわけです。社会も公共の場も、成熟した大人たちだけのものではないので、飛行機の中に未熟な子供が存在する可能性だって、やっぱり成熟した大人なら推測できるわけです。
成熟した大人なら、子供が未熟であることも、色々社会のルールも含めて学習中であることも、理解できると思います。
成熟した大人なら、初めて親になってたかだか2年やそこらの普通の人が、しかもイヤイヤ期初体験中の人が、子供を上手になだめられなかったりすることも想像できることです。
確かに世の中には、時々、小さな子供が騒ぐのはしょうがないことだ!と親として努力することをせずに、「仕方がないでしょ!」と匙を投げるどころか、子供にやりたい放題させちゃって、勇気を持って注意してくださる方に、文句を言う、という親もいるようです。
でも、多くの親は、小さな子供や小さな子供の甲高い声を心地よく思わない人がいることを知っているし、人にはそれぞれ事情があることも知っています。(移動時間は睡眠などの休憩に当てたり、何かに集中する時間に充てたい人だっていることも知っています)
だから、多くの親は、できるだけ周りの人に迷惑をかけないように、とできるだけの努力はして臨みます。
できるだけの努力が、経験者や他人から見ると100点じゃないかもしれません。それは親もまた学習中の初心者だからだと思います。2歳の親になるのは、その人だって初めてなんです。イヤイヤ期の親になるのもまた初めてで、情報収拾してしっかり準備したつもりでも、想定していたものと違うことだってざらにあります。
どうぞそんなチャレンジ中の子供や親に対しては、もう少しだけ寛大になってください。
眼に余る時に、勇気を持って注意頂いたことは、真摯に受け止め、同じことを繰り返さないように全力を尽くします。
世の中には、社会のルールに適応する能力を開発中の未熟な子供や、それに日々向き合って奮闘中の親も存在することを知っていて欲しいです。
事前に知っておいて頂けると、あまりにびっくりされることも、想定外に気分を害された!と憤慨されることも多少抑えられるのではないかと思います。
2歳児との飛行機搭乗の予定があるパパ&ママへ
Ayetta&のっぽさんも、2歳児のコロコロちゃんとの長時間フライトの予定があるので、すごく色々調べました!
備えあれば、憂いなし!準備8割、本番2割!
これから2歳児との飛行機搭乗を予定しているパパ&ママへ、とても参考になる情報をこちらに集めましたので、参考になさってくださいね。
2歳児との飛行機搭乗マニュアル
【鬼門・2歳児と飛行機に乗る コツを掴めば楽この上なし(3部完結)】
ご自身の経験を元に、旅行予定日のかなり前からの子供の飛行機対策の事前準備、飛行機に持ち込もむもの、子供のマネジメント術から、フライトの選び方まで、サクッとわかりやすく、大切なことは詳細に書かれていて、まさにマニュアルです。これだけ読めば大丈夫!なくらいかも?!
溢れてくる不安を解消するために読むのがオススメ
「子連れで飛行機」が不安…子どもと旅行する前にチェックしたい6つの対策
元は英語で書かれた海外の記事を和訳したものです。6つ紹介されている対策の1つ目から、まず不安に侵された心がガーンと殴られて、冷静さを取り戻すことができます。不安で心がいっぱいになってしまった場合には、読みながら一喜一憂していいので、最後まで読んでみてください。
多くの経験者が声を揃えて必要と言ってるもの
・事前の言い聞かせ(最低でも数日前から言い聞かせる)
・とにかく体調管理
・搭乗前に疲れさせる(フライト中に寝てもらう作戦)
・搭乗前に食事を済ませる(空腹はぐずる原因になりますし、フライト中はできるだけ寝てもらいたい)
・搭乗まえにオムツを替えておく(オムツが取れてる子もフライト中はオムツするのがおすすめのようです)
・ウエットティッシュ、ビニル袋(それぞれ1パックあれば安心かと)
・お菓子&飲み物(数種類持参)
・おもちゃ数種類(スマホやタブレット含む)
・耳栓(イヤープレーンが人気が高いようです。飴やガムの代わりにグミも良いようです。)
そのほか、子供用のヘッドホン、ママ&パパの着替え(トップスだけでも)なども多くの先輩ママ&パパがあると便利!と仰ってます!
おもちゃは、シールブック、塗り絵、マグネット絵本、ワークブック系絵本、スマホやタブレット(オフラインで使えるアプリ数種類をDL&操作をチェックしておく)などがオススメのようです。
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